高級フレグランスの中でもひときわ厚いファン層を持つ『TOMFORD(トム・フォード)』のプライベート・ブレンド・コレクション。

傑作フレグランスが続いているこのコレクションから、またしても素晴らしい香りが発表されました。

2021年2月1日に新発売となった「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」は、“夜の女王”としても知られる花、チュベルーズ(月下香)が主役。

これは「裸のチュベルーズ」、「生まれたままのチュベルーズ」という意味を持つオードパルファムです。

チュベルーズはその芳香から「官能的な香り」と評されることの多い花。

官能的な香りのクリエーションは、もはや『TOMFORD(トム・フォード)』最も得意とする分野なのではないでしょうか。

実にさまざまな性格の官能香水を発表している『TOMFORD(トム・フォード)』ですが、今回の「TUBEREUSE NUE(チュベルーズ・二ュ)」はかつてないほど妖艶でエロティックです。

もしかするとコレクションの中で一番“なまめかしい”香りかもしれません。

夜の帳が降りる頃にまといたくなる、その妖しい香りを徹底レビューしてみました。

清楚と堕落が交差する香り

TUBEREUSE NUE(チュベルーズ・二ュ)オードパルファム

トップノート:ジャスミン、ティムット・ペッパー、百合

ミドルノート:チュベルーズ、ベンゾイン、スティラックス、カカオ

ラストノート:ムスク、スエード、トンカビーン、アキガラウッド

発表年:2021年

調香師:不明

対象性別:ユニセックス

チュベルーズは日本名で月下香といいます。暗くなるにつれて芳香を増す“夜型”の美しいお花で、昼間は逆にほのかで可憐な香りがするそうです。

特に月夜の晩に咲くチュベルーズの香りが素晴らしいとのこと。

具体的には、フローラルの甘い香りと妖艶でオリエンタルな香りが合わさった個性的な香りです。花香の中ではジャスミンをも超え最もセクシーと言われており、その特質から“夜の女王”とも呼ばれています。

「TUBEREUSE NUE(チュベルーズ・二ュ)」のオープニングは、とても華やかなフローラルノートで始まります。

生花の花束を抱えた時のような、その鮮度の良い甘い香りには誰もがうっとりしてしまうはず。

そして、その花束にはジャスミンと百合が入っているのです。

エキゾチックで濃厚な香りのジャスミンと、清楚な百合のバランスが危うくもお見事で、人間の「心にブレーキがかかっている」ような状態、「可憐を装っている」状態を上手に香りで表しています。

「装っている」のですから、そのあふれ出る色っぽさを隠しきれていません。

そしてトップノートの中盤から、今回の主役、チュベルーズがスポットライトを浴びて登場します。

大きな花束を、ギュッと抱えているかのようなトップノート。

見た目は可憐で優雅なのに、花束の奥から悪女の誘惑めいた囁きが聞こえてきそうな、そんな妖しい世界観が「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」にはあります。

ジャスミンも百合もチュベルーズも、その花の色は共通して“白”なのですが、このフレグランスにはどこかに1本、突然変異した黒の花が混ざっていそう。

その悪女ともいうべき黒い花は、可憐な花々を自らの“引き立て役”として、強い芳香と魅力を放っているのです。

出典:『TOMFORD(トム・フォード)』ビューティ公式インスタグラムより

全体的に大きな香りの変化はありませんが、ミドルノートからラストノートにかけての妖艶さは『TOMFORD(トム・フォード)』フレグランスのなかでも群を抜いているかもしれません。

クリーミーで、蜜のようにしたたる香りで、肌と同化するというレベルではなく、香りが肌の上で“振動している”といったイメージです。

とてもセクシーでしたたかで、自分に色気があることも知っているし、一番良い魅せ方も知っている。そんな“確信犯的”な貴婦人像を思わせる香り。

上品で甘く、ふくよかで、しなやかで、異性はおろか同性をも誘いかねない妖艶な香り。

楊貴妃のような「傾国の美女」を彷彿とさせ、ある意味美しすぎて破壊的な香りでもあります。

昼間の清楚な装いから始まり、夜にかけて段々と妖しく花開くチュベルーズ。

そしてクライマックスの最後に一滴、最高の蜜を地面に垂らし、堕落し、また深い眠りにつくー。

そんなストーリー性が思い浮かぶ「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」は、“清楚”と“堕落”が交差する、『TOM FORD(トム・フォード)』のなかでもまさに禁断のフレグランスと言えるでしょう。

自分の感性に従って

出典:『TOMFORD(トム・フォード)』ビューティ公式インスタグラムより

「TUBEREUSE NUE(チュベルーズ・二ュ)」は決して強い香りではないものの、その奥行きはかなりものがあります。

誰にでも突き刺さるような香りではないですし、かなりTPOが限定されるオードパルファムです。

嗅覚がざわつくほどなまめかしくエロティックな「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」は、周囲にとって“快”か“不快”かを考えるより、自分が“好き”か“嫌い”かを一番に優先すべき香りです。

セクシーな男女に季節が関係ないように、「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」をまとう季節にもこだわりを持たない方が良いのかもしれません。

ただ、時間帯はやはり夜が似合います。

仕事後、オフの日、辺りが暗くなった頃合いにこの香りをまとえば、夜が深まる時には本物のチュベルーズの花のように妖艶な雰囲気を醸し出すことができるでしょう。

「TUBEREUSE NUE(チュベルーズ・二ュ)」は、官能性とともに上品で成熟したニュアンスも持っています。

そのため、30代後半以降の女性に非常に良くお似合いになるでしょう。

若い世代や男性でしたらフォーマルな装いの時、デートはもちろん気分を持ち上げたい時にもおすすめです。

まとめ

チュベルーズの花言葉は「危険な楽しみ」「火遊び」。

そしてチュベルーズの香りは、時代を超え、その催淫効果で世の殿方を魅了し続けている媚薬なのです。

そんな魅惑の花をそのまま活かした「TUBEREUSENUE(チュベルーズ・二ュ)」は、『TOM FORD(トム・フォード)』フレグランスのなかでも圧倒的に存在感のある香りです。

夜にしかまとえない、“夜の女王”を感じて、センシュアルな自分を演出してみましょう。