他の人と同じ香りはまといたくない、フレッシュなだけの香水にはもう飽きた。

トムフォードの香水は、そんな方に大変おすすめです。

芸能人やセレブにも愛用者が多いといわれているトムフォード・フレグランスは、この数年間であっという間に大人気となりました。

デパートやセレクトショップではメイン売場が設けられ、扱う種類もかなり豊富です。

人気の秘密は、きちんとラグジュアリーで、たとえ他のブランドに似たコンセプトがあったとしても、香りに「トムフォードらしさ」が失われていないこと。

つまり、ブランドの華麗さとゴージャスさはそのままに、どの国でも「これはいい香り!」と思われるような素敵なフレグランスが勢ぞろいしているのです。

新作が出るスピードも、トップクラスで早いです。

そのためトムフォードファンはもちろん、香水愛好家たちを絶対に飽きさせません。

そんなトムフォードの最新作に、ローズの香り3種が加わりました。

アマルフィ、ロシア、チャイナと、いずれもブランドが所有するローズガーデンの希少な花々を着想源とし、オリジナルエッセンスであるローズ・オン・ローズを使用しています。

今回は、その中から「自由奔放で無邪気なバラ」をコンセプトにした「ROSEDE CHINE(ローズ ド シーヌ)」をご紹介。

品のあるローズにピオニーの香りが加わった、初夏にもってこいのオードパルファムです。

西欧のフィルターを通して見た東アジアとは

ダイナミックに変容する東アジア。

中国を初めとした東アジアは、アメリカに次ぐ世界経済の中心でもあります。

なかでも日本は、西欧諸国と同じ価値と規範を共有する数少ない国のひとつ。

しかしヨーロッパから見た東アジアのイメージは、圧倒的に中国が先頭に立っています。

深い歴史と、素晴らしい文化遺産を持つ彼らは、世界に旅立ちあちこちで中華の文化を伝道してきました。

そのため、西欧の多くは東アジア=中国とのイメージが強いのです。

独創的な芸術文化に、食文化、ヨーロッパにはない動植物。

その多くが「エキゾチック」と表現され、美術館では定期的にエクスポジションが開催されるほどです。

そしてもちろん、中国原産の花も、香水界で注目されています。

たとえば金木犀。

フランスでは「オスマンサス」と呼ばれ、新たな人気香水として立て続けにフレグランスブランドから発売されています。

また、牡丹、チャイナローズ、梅、桃なども同じです。

こちらは香水のメイン香料としては使われないものの、絵画の世界では良く描かれています。

「ROSE DE CHINE(ローズド シーヌ)」の肝となっているのは、ピオニー(芍薬)と、トムフォードオリジナルのローズエッセンス。

しかし、一体どんなところが「自由奔放で無邪気なバラ」なのでしょうか。

すっきりとしていて快活な香り、「ROSEDE CHINE(ローズ ド シーヌ)」を詳しくご紹介していきます。

フレッシュで快活、しかしスモーキーで意外なラスト

ROSE DE CHINE(ローズド シーヌ)オードパルファム

ノート:ブラックカラント、ローズエッセンス、ピオニー、ミルラ、シスタス

発表年:2022年

調香師:不明

対象性別:ユニセックス

「ROSE DE CHINE(ローズド シーヌ)」のシーヌは、フランス語で中国という意味になります。

トップノートは、クリアでスパイスの効いたローズの香り。

どこか高いところから、シャワーのように香ってくるようなイメージです。

その香りはとてもすっきりとしていて、フレッシュ。

少しグリーンノートのようなえぐみも感じられ、ローズ香水によくあるどっしりとした甘さがありません。

そのため、清潔感と品の良さは、今回同時発売となった3種の香りの中でも一番です。

ピンクの色もどちらかというとサーモンピンクで、春の優しい太陽のよう。

着けてから5分後くらいに、だんだんとピオニーの香りが勢いを増していきます。

ピオニーの香りには、バラにも含まれる「ゲラニオール」や、ラベンダーにも含まれる「リナロール」という成分が含まれています。

それは「5月のバラ」とも言われるほど、バラに近い香りです。

 しかしながら、ピオニーの香りはバラより爽やかでみずみずしいという特徴があり、甘すぎる香りが好みでない方にも大変おすすめなのです。

やはりトムフォードだけに、全体のプロセスはフレッシュながらも気高く、壮大です。

3種の中でも着けやすいと評判ですが、ラストノートではちょっと意外な展開を迎えます。

というのも、ミルラやシスタス(アンバーグリスに似た植物性香料)が「モワッ」とした表情を辺りに振りまくためです。

最初の頃に香ったフレッシュさや快活さはいつの間にか落ち着き、そしてそれが無かったかのようにスモーキーな雰囲気でフィニッシュするのです。

少し表現するのが難しいのですが、「現代の上海のエネルギッシュな様子」と「歴史ある中国の水墨画の風景」の二つを、西洋のフィルターを通して見つめているような感じです。

その二つの異なる世界観を、「ROSEDE CHINE(ローズ ド シーヌ)」というボトル内に上手くまとめ、加えてトムフォードの気品をまとわせたのがこの香りの特徴。

しかし一つ言えるのは、重たさや気だるさは皆無で、徹頭徹尾、はつらつとしていることです。

清潔感もあり、使いやすさは抜群です。

ローズ香水がお好きな方にとっても、新たな発見のあるユニークな1本となることでしょう。

紳士淑女に。中性的でシーンを選ばないマルチなローズ香水

トムフォードの香水には、男性寄り、女性寄りといった香りはありますが、基本的にはユニセックスなので、男女どちらが使っても違和感がありません。

「ROSE DE CHINE(ローズド シーヌ)」においては完璧と言えるほど中性的な香りで、性差を全く感じさせない仕上がりとなっています。

そして嬉しいことに、夏でもフレッシュな印象を与えることができ、着け心地はミストのように軽いです。

年齢、季節、シーンも問いません。

トムフォード・フレグランスの中でも手に取りやすい香りのひとつです。

トムフォードの香りを複数持っている、というファンの方も多いのですが、「ROSEDE CHINE(ローズ ド シーヌ)」はコレクションの中に加えても絶対に損のない香り。

日頃は甘くて重ための香水を使っている、ウッディ系のメンズ香水を使っているという方の気分転換にもなります。 

ただ、リラックス系ではないので、寝香水にしてしまうのにはもったいないです。

朝、この香りをまとって爽やかに出かけていく、というシーンが良く似合います。

そしてトムフォード・フレグランスにしては珍しく「官能性」が少なめなので(全くないわけではありません)、出勤の日にも問題なくまとえ、自分らしさを演出できます。

活き活きとしたバラの香りに、中国の快活なイメージが乗った「ROSEDE CHINE(ローズ ド シーヌ)」。

洗練されたトムフォードのバラ香水シリーズに、また新たな香りが加わりました。

まとめ

ありきたりな香りではなく、モダンで上品、そして何よりドラマティックなトムフォードの香水。ローズの香りだけで合計5種類ものセレクトがありますから、バラ好きさんには嬉しい限りですね。

1つ試したら最後、2本目、3本目も欲しくなってしまう、といった中毒性があるのもトムフォードの魅力。

「ROSE DE CHINE(ローズド シーヌ)」は、バラの香水は今まで合わないと思っていた方や、逆にバラの香水は好きだけどひねりが欲しいと思っていた方にぴったりの香水です。

トムフォードの解釈が加わった素敵なローズの香りを、ぜひ一度試してみてください。