パリのセレクトショップから展開し、人気に火がついたスウェーデン発の香水ブランド、バイレード。
このブランドは2006年、スウェーデンのストックホルムで誕生したラグジュアリーフレグランスブランドです。
創業者の名前は、ベン・ゴーラム。
インド人の母とカナダ人の父のもとスウェーデンに生まれ、その後はトロント、ニューヨークと世界の大都市で育ちました。
以前はプロのバスケットボールプレイヤーを目指していたとのことですが、調香師のピエール・ウルフ、ジェローム・エピネットとの出会いを機に、香水の奥深さや香りと記憶との関係性に強く魅せられ、必然的に香水の世界に…。
またゴーラム氏はファッションやアートとのつながりも強く、多くのファッションブランドやファッション誌、アートディレクターと協力するなど、ジャンルを超えたコラボも人気です。
日本でもヨーロッパでも大人気のバイレードですが、今回ご紹介するのは、ラインナップでも特に「セクシー」と呼び声が高い「Mojave Ghost(モハーヴェ ゴースト)」です。
バイレードはこれまで、中性的だったり不思議なテーマでその世界観を築き上げてきました。
ところがこの「MojaveGhost(モハーヴェ ゴースト)」のコンセプトはとても直接的なもので、「異性を誘うゴーストスキン」となります。
肌馴染みが最高と評判の高い、バイレードが考える官能香水とはどういったものなのでしょうか。
ニッチでラグジュアリーな香水メゾンが打ち出す、魅惑的な香りを詳しくご紹介します。
モハーヴェ ゴーストとは?

出典:BYREDO公式インスタグラムより
バイレードの創設者ベン・ゴーラムは、幼い頃に祖父とアメリカ・カナダを旅しました。
その中でも、アメリカ南西部のカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州にまたがる広大な砂漠「モハーヴェ砂漠」がゴーラム氏の心に残ったと言います。
この砂漠に太陽が昇る瞬間、そして砂漠に咲く一つの花の存在が彼の心を捉えて離さなかった、とのことです。
その名は「ゴーストフラワー」。
白くて繊細な花びらをしているのですが、生命力は大変強く、ほとんど水がなくても生育が可能なのだとか。
ただ水分がないため、蜜を自ら作り出すことはできません。
そのため受粉には蜜蜂の存在が必要となり、ゴーストフラワーは蜜蜂を引き寄せるため、全く別の花(キク科の)、蜜が出そうな花の姿に自らを変えてしまうのです。
ゴーラム氏は、この花に「意中の異性を落とそうと外見を変えたり、態度を変えたりする必死な人間の様子にそっくりだ」と、感銘を受けたそうです。
そしてこのゴーストフラワーから、人々が香水をつける本質を垣間見たのでした。
香水をつける意味。
それは、異性を引き寄せるためであり、全てはセックスアピールのため。
香水とはそうあるべきものだと、堂々とバイレードは提唱するのです。
熟れたフルーツの官能的な香り

Mojave Ghost(モハーヴェゴースト)オードパルファム
トップノート:アンブレット、サポジラの実
ミドルノート:ヴァイオレット、サンダルウッド、マグノリア
ラストノート:アンバーグリス、シダーウッド
発表年:2014年
調香師:ジェローム・エピネット
対象性別:ユニセックス
「Mojave Ghost(モハーヴェゴースト)」は、したたるようなフルーツの香りが魅惑的なオードパルファムです。
トップノートは大変クリーミーで、サポジラの実の香りが全開でスタートします。(サポジラの実は甘い干し柿のような風味がする果物)
その香りは人間を酔わせるように甘く、熟れた洋梨やリンゴのようなイメージも。
甘いは甘いのですが、嗅覚に引っかかるということはなく、喉が乾いた時などに本能的に「欲したい」と思うような香りです。
また香料には使われていませんが、奥底からムスクの柔らかな香りが感じられるパウダリーさもあります。
ということで、早くもセクシーさはアクセルを踏んで全開となっていきます。
ミドルノートはフルーティ・フローラルゾーンに突入。
ゆっくりとヴァイオレット(スミレ)の高貴な香りと、マグノリアの甘く美しい香りが追加されていきます。

ラストノートでは、フルーティな香りはフェードアウトし、代わってサンダルウッドにバトンタッチ。
フローラルの優しい残り香と、サンダルウッドの知的な感じが肌にいつまでも残っていきます。
全体を通して、ゴーストフラワーの「花」自体を表しているというよりは、やはりこの花が「虫を誘惑している」というところにポイントを当てていると思います。
セクシーはセクシーなのですが、たとえば人間にしたら「肌を露出している」ということではなく、そこはかとない雰囲気がたまらなく妖艶だ、ということになります。
肌を出さなくても、一言も発せずともセクシーな人は存在します。
そういった方々が持っているものは何か。特に五感が刺激されるのは、彼らの匂いであると言って良いでしょう。
香水が良い香り、なのではなく、その人の肌や髪が良い香り。
「Mojave Ghost(モハーヴェゴースト)」は、香水!という存在感を消し、その人の肌や体温に同化して、とてつもなく魅惑的な香りを放つのです。
それはもちろん異性だけでなく、同性をも惹きつけてしまうほど魅惑的な香り。
フルーツと人肌がここまで相性が良い、というのも再発見できる見事な1本です。
新しい万能香水。魅力的過ぎるためつけ過ぎには注意

「Mojave Ghost(モハーヴェゴースト)」は官能的な香水ではありますが、意外なことにどなたにでも似合う万能香水でもあります。
昼夜問わず、何歳でも、オフィスや学校にも使用可能です。
またニッチフレグランス入門として、初めてバイレードを買う方にもお勧め。
なぜかと言いますと、まずこの香りがそれほど強くないこと、肌馴染みが本当に良いので「香水の自己主張」がちょうど良いところにあります。
バイレードの香りは総じてそういったものが多いのですが、「MojaveGhost(モハーヴェ ゴースト)」の馴染み方はラインナップでも一、二を争うほどかもしれません。
トップノートから心地よく香ってくるため、ツンと香ることもなく、付けやすさは抜群です。
ただあまりに心地よいため、二度付けなどつけ過ぎには注意してください。
重ねても問題はないものの、魅力的過ぎて周囲の人が寄ってくるかもしれません。
季節も問いませんが、冬、春の湿気のない時期は特にこの香水の魅力が発揮されるでしょう。
服装も何でもOKです。
モテ香水が欲しいけど、ファッションブランドのものではなく、少しニッチなフレグランスを…という方にはピッタリです。
「Mojave Ghost(モハーヴェゴースト)」の奥底から来る官能性に酔いしれてしまって下さいね。
まとめ
魅力的な香りがそろうバイレード。
香りに対するアプローチが独創性に溢れていて、時折思いもよらないテーマで香水が作られることもあります。
今回ご紹介した「MojaveGhost(モハーヴェ ゴースト)」もインスピレーション源がユニークなものです。
「Mojave Ghost(モハーヴェ ゴースト)」をお試しになる際は、ぜひこのエピソードも辿ってみて下さい。


