2018年の日本上陸にあたり、香水好きさんたちをザワつかせたブランドがあります。

パリ生まれのフレデリック マル、という香水メゾンです。

このブランドを知らない、という方も多いかと思います。

現地フランスでも「知る人ぞ知る」ラグジュアリーなブランドなのですが、実は太い顧客が多く、かつリピーターが多いことでもよく知られています。

創始者であるフレデリック マルの祖父は、あのパルファム・クリスチャン・ディオールを立ち上げた人物です。

ということで彼は今をときめく「フレグランス界のプリンス」であるのです。

フレデリック マルは、マーケティング戦略や時間、原料やコスト等の一切の制限を取り払い、彼自身が信頼した調香師にのみ香水を依頼する、という驚くべき手法を取りました。

高品質で芸術性の高い香りは、本物を知るフランスのマダムやムッシュにも高い人気を誇っています。

また、店頭でのサービスが非常に良い、ということでも有名です。

自由でクオリティの高い香りが並ぶフレデリックマルですが、このブランドが初めて世に送り出した香りがあります。

それは、お花のマグノリア。

意外なことに、これまでどのメゾンもマグノリアを主役にした香水を発表していなかったのです。

今回は、そんなフレデリック マルの自信作「EAU DE MAGNOLIA(オー ド マグノリア)」をご紹介します。

春の訪れを告げる花、マグノリア

春の訪れを告げる花、マグノリア。

日本名はモクレンと言います。

春といえばミモザやサクラ、チューリップが思い浮かびますが、その可憐で甘い香りは、他のお花とはまた違った趣があります。

知名度の低い香りではありますが、香水にすると実はとっても使いやすいのです。

生花のような青みやえぐみはなく、嗅ぎ疲れしないマシュマロのようなパウダリー感が特徴的。

花びらの香りというよりは“花の蜜”のような甘さが目立ち、その香りは“春のキンモクセイ”のよう。

ローズやジャスミンといったヒロイン級の存在ではありませんが、知れば知るほど癖になってしまう気になる存在…そんな魅力があります。

「毎日使えて飽きのこない、フローラル香水のおすすめは?」と聞かれたら間違いなくマグノリアを候補にあげるでしょう。

自己主張も個性も控えめで、それでいて人懐っこく、フェミニンで華やか。

フローラル香水の中でも安定感が抜群です。

フレデリック マルはそんなマグノリアに着目し、「大人の男女のためのマグノリア香水」を作ることに成功したのです。

写実性と芸術性が混じりあうマグノリア

EAU DE MAGNOLIA(オード マグノリア)オードトワレ

トップノート:ベルガモット、グレープフルーツ、レモン

ミドルノート:マグノリア、ベチバー、パチョリ

ベースノート:シダー、モス、アンバー

発表年:2014年

調香師:カルロス・べナイム

対象性別:ユニセックス

マグノリアはとても素敵な香りなのですが、香料にするには非常に難しいといわれてきました。

なぜかといいますと、マグノリアの花は時間の経過によって、ローズ寄り、レザー寄り、クリーミー、フルーティといったさまざまな香りの側面を持つためです。

しかし、さまざまながらも一貫して「透明性」を保つマグノリアをどうしても香水に昇華したいと考えたフレデリックマルは研究者に依頼します。

そうして、マグノリアの香りは一人の偉大な博士により細かく解析され、調香師カルロス・ベイナムによって調香されることとなりました。

これが、「マーケティング戦略、時間、原料、コストに一切の制限を持たない」フレデリックマルの信念であり、すごいところです。

ベイナム氏はまた、透明感のあるマグノリアにプラスして、温かみと色気を加えたかった、と言います。

こうして「EAU DEMAGNOLIA(オー ド マグノリア)」は、フレデリック マルにしか出せない、このブランドの信念が詰まったフローラル香水となりました。

こちらはユニセックスタイプということもあり、甘さ控えめでビタースウィートなフローラル香水です。

また、みずみずしさと知性を兼ね備えた、“ポエティック”な香りでもあります。

それはまるで、モノクロームの世界に登場する古き良き時代の美人女優さんのよう。

フレデリック マルのフレグランスに共通して言えることなのですが、どの香りも文学的で大変エレガントです。

実際に肌にのせると、レモンやベルガモットの初々しい香りに包まれたマグノリアが早速登場します。

数分で柑橘系の香りは消え、ベチバーとパチュリが効いた、“聡明さ”が前面に出たマグノリアに変わっていきます。

ラストノートはモスやシダーウッドのウッディ感が増しますが、香調に大きな変化はありません。主役は、間違いなくマグノリアの芳香です。

持続時間はオードトワレなのに大変長く、約半日は肌の上で香ります。

香水らしい複雑さもあるのですが、同時に天然香料のナチュラルさも感じられます。

木に咲くモクレンの花をまるで白黒写真にしたような、写実性と芸術性が混じり合った香りです。

40代以上の男女へ。デイリーユースに最適なフローラル香水

40代以降の大人の男女にとって、これほどまといやすいフローラル香水は存在しないかもしれません。

自己主張より「周りも自分も心地よく」という環境を望む大人には、香り選びは至難の業となることがあります。

しかし、フレデリック マルの「EAUDE MAGNOLIA(オー ド マグノリア)」は行き過ぎていないフローラル香水です。

まとっていて大変心地よく、季節やTPOを問わず活躍するでしょう。

ベースに透明感があり、丁度いいバランスのセクシーさと、知性もあります。

ただ、どちらかというとカジュアル過ぎない服装で、都会にいる時に身に着けたい香りです。

嗅覚の感性が研ぎ澄まされるほど芸術的なフレグランスなので、美食家やワインが趣味という方にもおすすめしたい1本です。

まとめ

マグノリアの香りはローズよりも甘く、イランイランやジャスミンよりも可憐で、総じて「透明感」があります。

フレデリック マルの「EAUDE MAGNOLIA(オー ド マグノリア)」は、確かな技術でそれをさらにかっこよく、知的なものに仕上げました。

たくさんのフローラル香水が存在する世の中ですが、マグノリアの珍しい香りで差をつけてみませんか?