ラグジュアリーなファッションブランドが発表するフレグランスも魅力的ですが、香り専門のフレグランスメゾンが作る香りは大変個性的で、ユニークなものが多いのが特徴です。

イギリス発のフレグランスメゾン、『JoMalone(ジョー・マローン)』は間違いなくそのうちの一つと言えるでしょう。

正統派の香りが多いとされるイギリスのフレグランス。

『Jo Malone(ジョー・マローン)』は香りもさることながらその誕生秘話もなかなかユニークです。

ロンドン在住の主婦であり、フェイシャリストでもあるJoMalone(ジョー・マローン)がお客さんのために、バスオイルを手作りしたのが全ての始まりでした。

“全く異なる香料を合わせるとどんな香りになるのだろうか?”という発想により生み出したナツメグ&ジンジャーのバスオイルが、ブランド創設のきっかけとなったのです。

そしてその「コンバイニング」の哲学は、ブランドが大きくなった現在でも『JoMalone(ジョー・マローン)』のコンセプトとして残り、自分だけのオリジナルの香りを作ることができます。

もちろん1つの香水だけでも十分に香りを楽しむことができ、普遍的なフェミニン/マスキュリンの垣根を超える「垢抜け感」が魅力的です。

大人気の「Peony& Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」は、華やかなピオニー(芍薬)と精鋭なレザーが溶け合う芸術的な香りです。

今回はこの「Peony & Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」の素晴らしさについて言及したいと思います。

艶めくピオニーとスエードのコントラスト

Peony &Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)

トップノート:リンゴ、ジャスミン

ミドルノート:ピオニー、ローズ、ナデシコ

ラストノート:スエード

発表年:2013年

対象性別:女性

まず、「Peony &Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」の構成は非常に珍しいと言えます。

これも『Jo Malone(ジョー・マローン)』ならではのコンポジションなのですが、ここでは「色気」をスエードで表現しているのがポイントです。

それではトップノートから見ていきましょう。

トップノートでは赤リンゴやジャスミンがジューシーに香り、蜂蜜の混じったようなメロウな甘酸っぱさがあふれ出します。

そしてザ・フローラルというようなかぐわしいピオニーの香りがミドルノートに現れます。

実はピオニーの香りはもともと優しめ。バラよりも控えめな甘さで透明感や爽やかさを感じさせるものです。

その花言葉は「恥じらい・はにかみ・優しさ・謙遜・必ず来る幸せ」となりますが、

「Peony &Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」においてはこの中で「謙遜」が一番近いかもしれません。

本来、ピオニーは美しく存在感がある花なのに、マスキュリンなスエードの香りが登場することによってお互いが「出すぎず」、ちょうど良いところで均衡を保っています。

ラストノートのスエードとは、皮革製品に使用される柔らかい革です。

このスエードの渋い香りが中盤からハッキリと香るため、グッと大人びた印象に。

「Peony &Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」の特徴として、3段階の各ノートがしっかりと香るので、香りの変化を存分に楽しめることが挙げられます。

一風変わったフローラル香水

出典:『Jo Malone(ジョー・マローン)』公式インスタグラムより

「Peony &Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」のようにピオニーとスエードが混じった香りは大変珍しく、誰とも被ることがないと思います。

そういった意味では、この香りをまとった時に洗練された個性として周囲には映るでしょう。ただその「洗練」を支えるものが実は「成熟」であるという、非常にハードルの高い香りでもあります。

ピオニーの柔らかくパウダリーな質感が続くと思ったら、スエードのハード面が思ったより長く続く。

そのような意外性やコントラストを“楽しんで”使える女性に向いているかもしれません。

独特なな雰囲気を持った香りなのでつけるシチュエーションは選びますが、フローラルノートの中では意外なほど甘さ控えめなので、使いやすさ満点です。

むせ返るような色気ではなく、どこまでもさりげないセクシーさが「Peony& Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」の持ち味です。

出典:『JoMalone(ジョー・マローン)』公式インスタグラムより

季節は問いませんが、オフィシャルなシーンには向きません。

毎日の定番香水というよりは、特別なシチュエーションで身にまとうとこの香りの良さが武器になると思います。

デートのようなドキドキする場面でこそ、このさりげない色気を演出したいところ。

男性も女性も共通して、その人の「ギャップ」に惹かれることが多々ありますよね。

私たちは普段から物事を自分のフィルターを通して見ていますが、よい意味での「予想外」の裏切りは人々に強い印象を与えます。

砕けた言い方になってしまいますが、このフレグランスはそんな「ギャップ萌え」を具現化したような香りなのです。

体温と程よく馴染んた夕方頃には「Peony& Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」が一番綺麗に香るはず。

20代から30代の、はつらつとした女性によくお似合いになるでしょう。

『Jo Malone(ジョー・マローン)』では、香水と同じ香りのハンドソープやキャンドル、ボディクリームなども取り揃えられています。

特にボディクリームと併用すると「Peony& Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」がしっかりと香るのでより楽しめるはず。

これほど「つい必要としてしまう」香りは珍しいかもしれませんね。

まとめ

フローラルノートにありがちな「万人ウケ」的な可愛らしさや、「酔うほどの官能性」といった美の方向性とは異なる、なんだか素直に「素敵!」と言える魅力が「Peony& Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」にあります。

やはりスエードが決め手になっていると思うのですが、どこか中性的な一面がありつつしっかりとフェミニン香水として着地するところに『JoMalone(ジョー・マローン)』の技を感じます。

「気取らないけど、ちょっと贅沢」な控えめな雰囲気と、ヨーロッパの硬質さも感じられ、ひと捻りあるフローラル香水をお探しの方にはぴったりの香りです。

女性の美の象徴とされてきたピオニーの花。

そんな「従来の美」にちょっとスパイスを加えて自分を表現したい人は、ぜひ「Peony & Blush Suede Cologne(ピオニー&ブラッシュ・スエード・コロン)」をお試しになってみて下さい。