キリアンは、仏LVMHグループの創始者の孫であり、世界的コニャックメゾンとして名高いヘネシー家のご子息キリアン・ヘネシー(KilianHennessy)が2007年に立ち上げた香水ブランドです。
実業家の家系の後継者であるキリアン・ヘネシーは、自身が幼少期に体験したコニャックの“樽”の香りを深く心に刻んでいました。
そしてヘネシーブランドのイメージを壊すことなく、ラグジュアリー・フレグランスブランドを新しく立ち上げるという挑戦に成功したのです。
キリアンが提案するのは、“香りの可視化”。
彼は、女性が自身の魅力を最大限に発揮し、自信と勇気を持つ事のできる“武器”たるツールを実現したいという想いを持っていました。
具体的には、香り付きのリップスティック、ランジェリー、アクセサリーなどです。
ロケットペンダントやロケットピアスには紙が内包されていて、そこに香水を一吹きし、香りをまとわせることができるようになっているというものです。
ラグジュアリーな香りと、ここでしか経験できないユニークなまとい方を、一流コニャックメゾンの御曹司が提案しているということで、パリをはじめとした世界の大都市で人気を博しています。
いつも話題に事欠かないキリアンですが、この度パリとニューヨークにインスパイアされた2つのラグジュアリー香水を新たに発表しました。
今回は、そのうちの1つである「L'heureverte(ルール・ヴェルト)」をご紹介します。
「パリの夕方、アペロタイムにまといたい」香り「L'heureverte(ルール・ヴェルト)」。
キリアンにしか出せないであろう最高品質のお酒の香り、コケティッシュな香りをご説明していきたいと思います。
美しいボトルデザインにもご注目!
アペロタイムとは?フランス人が大事にしている夕方の時間

フランスでは、「今日アペロしない?」という会話がよく交わされます。
アペロとはフランス語で夕食の前の食前酒のことですが、1、2杯をおつまみと一緒に軽く楽しむ時間も意味します。
場所は、自宅、バー、レストランとさまざま。
だいたい仕事終わりから夕食前の、18時~20時くらいに行われるのが一般的です。
フランス人にとってこのアペロタイムは、家族や友人など大切な人たちと過ごす、大切なひととき。
同僚と一緒であれば仕事の話を、友人や家族であれば近況の報告をしたりと、おしゃべりに一番花を咲かせられる時間となるのです。
飲み物は何でも構いません。
ビール、カクテル、ウイスキー、ワイン(ワインであれば比較的白ワインやシャンパンが好まれます)などなど、アルコールがメインですがもちろんソフトドリンクでもOK。
このように、アペロタイムはフランス人にとって無くてはならない時間であり、一種の文化であるとも言えます。
キリアンは、そんなアペロタイムの伝統にヒントを得ました。
古くは、アペロで飲むお酒はアブサンに少量の砂糖を加えたものだったといいます。
そこにハーバルな薬草の香りをプラスしたことで、ノスタルジックで独創的なフレグランスに仕上がりました。
もちろん、キリアンの高級感は保たれたままです。
19世紀の上流階級の男性たちが好んで飲んでいたという飲み物。
「L'heure verte(ルール・ヴェルト)」はそんな紳士的な側面と、ちょっと危険な側面を合わせ持っています。
貫禄と妖気と孤独。かつてないほどユニークなリキュール・フレグランス

L'heure verte(ルール・ヴェルト)オードパルファム
トップノート:アブサン
ミドルノート:リコリス、ヴァイオレットリーフ
ラストノート:パチュリ、ベチバー、ウッディ、サンダルウッド
発表年:2021年
調香師:マチュー・ナルダン
対象性別:ユニセックス
「L'heure verte(ルール・ヴェルト)」のトップノートは、おそらくキリアンでなければ出せなかったことでしょう。
というのも、薬のように苦みのあるアブサンの香りがどっと広がっていくのです。
しかしその香りに下品さはありません。
これぞコニャックメゾン!というような、上品質なお酒の匂い。
お酒が好きな人にはたまらない、心地よく酔わせてくれる香りです。
アブサンは強いお酒であるとともに、禁断の飲み物であるイメージがあります。
ということで、スタートから何やら妖しい色気が漂ってくるのも特徴です。
ミドルノートのバイオレットリーフがそこに甘さをプラスし、リコリス(甘草)もグルマンな陽気を携えていきます。
その甘さと陽気は、酔いが回った頃の楽しい雰囲気を醸し出しています。
雰囲気は明るくなり、先の秘密めいた様子がちょっと開けていきます。
陶酔、とでも言うのでしょうか、いつもは近寄りがたい紳士がお酒の力でふっとフレンドリーになったような、しかしそれでいてまだ彼の世界観には踏み込めずにいるような、大人の男性の壁を感じます。

雰囲気は、19世紀の絵画のようです。
ゴッホか、モディリアーニか、決して明るくない大人の男性の自画像を見つめているかのよう。
甘さはそのままに、ラストノートでは薬草の香りが再び顔を出します。
パチュリとベチバーが最後にどっしりとした貫禄を添えており、再び紳士は孤独に家に帰っていきます。
サンダルウッドとウッディの、切ない余韻を残しながら。
この紳士にはもう会えないかもしれない、けれどその特徴的な香りはいつまでも頭に残ります。
品の良さと孤独感と一抹の妖気、という圧倒的な存在感が後々まで尾を引いていくのです。
「L'heure verte(ルール・ヴェルト)」は、本物を知る大人の男性のための香り。
リキュール・フレグランスは数あれど、本家キリアンほど深みのある香りは他にありません。
自身が薬草のお酒で酔う前に、側の誰かを瞬時に酔わせてしまう禁断の香りなのです。
紳士、芸術家、ミドルエイジに。しかし中性的な一面も

「L'heure verte(ルール・ヴェルト)」は、一見まとうのが難しいように感じますが、意外と季節や場所を選びません。
というのは、グリーン系の香りがメインですので、全体的にはシャキッとした印象を与えるためです。
リキュールの香りはトップノートこそ強いものの、次第にマイルドになっていきます。
ただ選ぶとしたら年齢層だと思います。
大人向けのオードパルファムですので、40代以降の男女に合うでしょう。
公式でもユニセックスとありますから、女性がまとってももちろんOKです。
異性を惹きつける香りにそれほど興味がない、といった方にもおすすめです。
どちらかというと、品質の良い香水で、香料そのものを楽しみたい方やインテリジェントな香りをまといたい方に良いと思います。
大人の男性であればスーツスタイルにも良いですし、フェミニン過ぎない服装を好むマダム層にもお似合いになります。
時間帯は、朝よりやはりアペロタイム。
夕方の仕事終わり、夕日をバックにこの香りが漂ってくれば、とてつもない雰囲気が出て話題にも上ることでしょう。
まとめ
今回は、「さすがキリアン!」というような至高のリキュール・フレグランスをご紹介しました。
誰とも被りたくない香水をお探しの方、ニッチだけど高品質な香りを求めてる方へ。
いつも斬新な香りを提案してくれるキリアンの香水で、香水ライフをより豊かなものにしましょう。


