パリに匹敵するファッションの都、ミラノ。

その土地で生まれたスーパーブランドがあります。

20世紀で最も成功したファッションデザイナーの一人、GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)が自身の名を冠した高級メゾンです。

「モード界の帝王」と呼ばれる『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』の愛用者は数多く、ジョージ・クルーニー、トム・クルーズ、ソフィア・ローレンといったハリウッドを代表するセレブリティ達が軒並み名を連ねるほど。

「私はニセモノが嫌いだ。見せかけの真実は見たくない。」と名言を残すほどの完璧主義者で、デザインに留まらず経営も一人でこなすほどの徹底ぶりでした。

特に『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』のスーツは高級ブランドの中でも最高ランクと称されていて、1980年代後半には紳士服のパターンを活用したレディースウェアも大ヒット。

ファッションだけでなく、コスメやホテル、インテリアまで手がける『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』ですが、フレグランスの存在を忘れてはいけません。

そのエレガントかつクラシックなテイストには定評があり、ブランドの世界観を香りに集約したフレグランスが揃っています。

2021年1月29日に発売される最新作の香水は、「MYWAY(マイ・ウェイ)」という名の女性向けオードパルファム。

最高級のシルクドレスのようにしなやかで、どこまでも優雅なその新しい香りをレビューしたいと思います。

映画のようなオープニング

MY WAY(マイ・ウェイ)オードパルファム

トップノート:ベルガモット、オレンジフラワー

ミドルノート:チュベローズ、ジャスミン

ラストノート:シダー、ホワイトムスク、バニラ

発表年:2020年

対象性別:女性

「MY WAY(マイ・ウェイ)」を一降りした瞬間、パッと目の前の幕が開けたような感覚を覚えます。

天気で例えるなら雨のち晴れ。

それどころか、遠く向こうに虹がかかっているのを見かけた時のような高揚感さえ感じるのです。

ベルガモットとオレンジフラワーという、構成としては至ってよく見かけるトップノートなのですが、このもうもうと立ち込めるフルーティー・フローラルのスタートダッシュは経験がありません。

キリっとした柑橘系の香りではなく、果実の木に咲く花のようになだらかな香りがします。

靄(もや)がかった場所からゆっくりと美女が現れてくるような、一瞬「なんだろう?」と思わせる登場シーン。

次の展開は?と気になってしょうがない、そんな少しのミステリアスさとスモーキーさが残る思わせぶりなトップノートです。

つけたてから10分もしないうちに消えてしまう香りなのですが、「神秘」、「生まれ変わり」、「出発」などといったキーワードが良く似合う、映画のようなオープニングについ引き込まれてしまうでしょう。

温かみを増すミドルノート

出典:『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』公式インスタグラムより

「MY WAY(マイ・ウェイ)」のコンセプトは、「IAM WHAT I LIVE(私の歩む道こそが、私をかたちづくるもの)」。

現代女性へのオマージュを捧げたフレグランスの主流は、こうした力強さや意志の強さがを表したものが多いと思います。

「MY WAY(マイ・ウェイ)」の香りとコンセプトを鑑みた時、「本当の強さ」とは、タフなことを示すものではなく別のところにあるのでは?と一つの疑問が浮かんでくるのです。

このミドルノートは本当に柔らかくて、優雅で、温かくて、包容力に溢れています。

まるで生きているように血の通った香りの波が、肌の上で踊り、美しいオーラを放ちます。

清らかな気分の日につけると後ろめたさを感じるほど、尊くて、優しくて綺麗な香り。

実はここに、『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』なりの「強さの哲学」が隠れているのではないでしょうか。

発信力の強さや心身の強度が「本当の強さ」ではない。

どんなに苦しくても、周りにけなされても「目が濁らない人」、そして、相手に対するネガティブな想いを向けない「慈愛」の心を持つ人。あるいは、「流す」しなやかさを身に着けている人。

そんな人こそが「本当の強さ」を持っているのだと思います。

逆に言えば、反対の「怒り」「不安」「羨望」などが弱さの象徴とも言えます。

「MY WAY(マイ・ウェイ)」には、前者のような血の通った温かさと優しさ、尊さがあるのです。

GIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)が愛するチュベローズの麗しい香りからは、こういった真の強さ、真のエレガンスさが感じ取れます。

これからの時代は、このように自分の感情を管理できること、そしてしなやかさと包容力を身に着けた人がリードしていくのではないでしょうか。

そういった意味では、「MYWAY(マイ・ウェイ)」の香りは、現代女性へ捧げる香りとしてものすごく深いところでクリエイトしているのだと思います。

そこに「在り続ける」ラストノート

出典:『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』公式インスタグラムより

さて、「MY WAY(マイ・ウェイ)」の香調は、「旅する女性」を表現したホワイトフローラルブーケの香りです。

「新たな経験や出会いが、人格を豊かにしてくれるという私の考えを香水に凝縮した」と、GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)自身が語っています。

そのフィナーレに相応しく、終盤に香ってくるのはホワイトムスクとバニラのハーモニー。

シダーのウッディさはほとんど感じられませんが、この微弱さがちょうどよく、メルヘンになりがちな二つの香料を落ち着かせています。

「MY WAY(マイ・ウェイ)」のラストノートは非常に感覚的な「人肌めいたなめらかさ」を帯びているのですが、何よりその持続時間の長さに驚かずにはいられません。

新たな出会い、経験がもたらしてくれた喜びや恍惚感。

この気持ちがいつまでも続いてほしい。。。そんな願いとラストノートがシンクロしているかのようです。

それでいてこの香りの中にはロマンティックな要素が、ほんのちょっぴり含まれているのが素敵なのです。

ずっとそこに「在り続ける」ようなエンディングは秀逸中の秀逸。

全体的に影のイメージは皆無で、明るくしなやかで、優雅。本当にエレガントです。

子供っぽくなく、かと言って御婦人過ぎないので、20代から30代の女性によくお似合いになるでしょう。

ただ香り自体は強めなので、うっかり手首や首筋につけてしまうと結構な衝撃を受けてしまいます。

そのためぜひ、腰より低い位置やウエストなどにまとってみて下さい。体温と混ざって気配を楽しむような、上級な使い方を意識してみると、この香水の持つ魅力を余すことなく堪能できるかと思います。

まとめ

映画のような幕開けから、温かみのある芳香を経て、長い残り香に酔いしれる。

ここまでストーリー性のハッキリしたフレグランスは、最近では珍しくもあります。

ファッションだけでなく、香水のフィールドまで高い完成度を求めた『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』のクオリティはさすがとしか言いようがありません。

さらに、ボトルの青いキャップは宇宙から見た「地球」を表現し、その中央に配されたゴールドリングは「道」を表しているそう。

以前より地球環境問題に取り組んできたデザイナー、『GIORGIOARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)』の美学を体現した渾身のフレグランス。

自分をリニューアルしたい時や、新たなステージに挑戦したい時。

「MY WAY(マイ・ウェイ)」をお守りジュエリーのように身にまとって、ニューノーマルな世界に飛び込んでみましょう。