今や世界中で大人気となった、『トム フォード(TOM FORD)』のフレグランスシリーズ。
中でもデザイナーのトム・フォード氏自身が情熱を注ぐ「プライベート ブレンド コレクション」は、“21世紀の美”を体現する香りとして、発売当時から多くの支持を集めてきました。
そんな「プライベート ブレンド コレクション」には数々の名作が揃っていますが、特に人気なのが、2018年に発売された「ロスト チェリー」です。
この「ロスト チェリー」はチェリーの甘いイメージを覆す“官能的な香水”として、世界的に大ヒットを記録しました。
現在ではブランドを代表するフレグランスになっています。
のちに「チェリーコレクション」としてシリーズ化され、2022年には「チェリー スモーク」が、そして2023年には「エレクトリック チェリー」が発表されます。
「チェリーコレクション」にはチェリーの香りを多角的に捉えた、ユニークでセクシーな香りが揃っています。
今回はそんな「チェリーコレクション」の最新作である、「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」をご紹介したいと思います。
「チェリーコレクション」三部作、それぞれの個性

はじめに、「チェリーコレクション」に並ぶ3つの香水がそれぞれどんな個性を持っているか、簡単にご紹介したいと思います。
・2018年発表「ロスト チェリー」
「ロスト チェリー」は世界中で爆発的なヒットを記録した、『トム フォード(TOM FORD)』の大人気フレグランスです。
甘いチェリーの香りに添えられたのは、『トム フォード(TOM FORD)』らしいコケティッシュな深み。
ひとたびまとえばもう二度と手放せなくなってしまう…というような、耽溺性のあるフレグランスでもあります。
・2022年発表「チェリー スモーク」
コレクションの第二弾である「チェリー スモーク」は、「ロスト チェリー」よりもさらにダークに進化した、魅惑的なフレグランスです。
ダークチェリーにウッドが溶け合うスモーキーな香りなので、男性からも人気の高い1本です。
・2023年発表「エレクトリック チェリー」
「エレクトリック チェリー」はコレクションの中でも一番、明るくキュートな香りです。
先の2つが「魔性」だったのであれば、こちらは「小悪魔」というイメージでしょうか。
トロピカルなフルーツの香りも特徴的です。
さらに「エレクトリック チェリー」はとても着けやすいフルーティ・フローラルノートなので、TPOを気にせずまとうことができるでしょう。
それではこの「エレクトリック チェリー」について、次で詳しく見ていきたいと思います。
甘さの中にあるポップな躍動感。恋の始まりを体現する明るいチェリー

エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)オードパルファム
トップノート…チェリー、ジンジャー
ミドルノート…ジャスミン・サンバック
ラストノート…ムスク、ピンクペッパー
発表年…2023年
調香師…ルイーズ・ターナー
対象性別…ユニセックス
「エレクトリック チェリーは、はしゃぎたいような、おどけたいような……
恋が始まるときの、あのうきうきした気分そのままの香りだ」
ートム・フォード
このように、「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」はとても明るく、快活なイメージのフルーティ・フローラルノートです。
雰囲気はどこまでも陽気です。
本当に恋の始まりを予感させるような、躍動感にもあふれています。
その躍動感はトップノートからフルスピードで現れます。
スイートなチェリーに乗ってくるのは、弾けるようにフレッシュなジンジャーエールの香り。
少し「ピリリ」としたイメージもありますが、それは恋の始まりを正確に表しているのだと思います。
恋の始まりにはちょっとした緊張感があります。
そんな緊張感のイメージが「弾ける香り」となって、まとう人の脳を覚醒させていくのです。

ミドルノートでは、ジャスミンの甘い香りが一気に開花します。
ここでは先のフルーティ・ノートとジャスミンが混ざることによって、トロピカルな雰囲気に変わっていきます。
それでも「ピリリ」としたイメージは保ったままです。
「香りの音程が高い」とも言えるでしょうか。
つまり「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」には、「ロスト チェリー」や「チェリー スモーク」に見られる複雑さと重厚感が、ないのです。
『トム フォード(TOM FORD)』のフレグランスには共通して「深み」がありますが、こちらの香りで目立つのは、フラッシュライトのような躍動感と、爽やかな甘みです。
どこまでも続く快活な雰囲気には、まとう人も嬉しくなってしまうでしょう。
そしてそれはトーンダウンすることもなく、まるで何かに感電したように、肌の上でずっと続いていきます。
ラストから現れるムスクは、ジェラートのような甘みを全体に加えます。
最後の余韻は幸せそのもの。
口の中で溶けだすジェラートのように、幸福感のある甘みが鼻腔に残ります。
シーンを選ばない、万能のチェリー香水

「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」には、「ロスト チェリー」や「チェリー スモーク」に見られる複雑さがありません。
全体的にライトで素直な香りですので、どなたでもまとうことができるでしょう。
季節は春夏がイメージに合いますが、秋や冬でも問題ありません。
どちらかと言えば、「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」は季節やシーンというよりも、気分によって使い分けたくなる香りです。
この香りにはまず躍動感があります。
そのため「エレクトリック チェリー(ERECTRIC CHERRY)」は、楽しいお出かけの前や晴れやかな気分の日に、特にお似合いになるでしょう。
またオン・オフ、シーンを選ばないのも特徴です。
甘くスイートなイメージがあるチェリーですが、今回は『トム フォード(TOM FORD)』によってさらにジェンダーレスに、さらにまといやすい香りに仕上げられました。
まとめ
『トム フォード(TOM FORD)』を代表する香り、「ロスト チェリー」の発表から5年が経ちました。
今、チェリーの香りは三部作となって、フレグランス業界に新風を巻き起こしています。
このように、固定概念を覆すような『トム フォード(TOM FORD)』のフレグランス。
これからどんな香りが発表されるのか、楽しみです。

