本物を知る大人の男女を筆頭に、『TOMFORD(トム フォード)』フレグランスの人気がうなぎ上りとなっています。

もともと『TOM FORD(トムフォード)』は、アメリカ発のセレブ御用達ブランド。

映画「007」に登場するジェームズ・ボンドのスーツデザインも担当していました。

フランスでもイタリアでもない、アメリカのハイエンドなルックはハリウッドのセレブを中心に、完成された大人の男女が着こなすルックとして今でも大人気です。

そして、フレグランスもまた素晴らしいものがあります。

世の中には「官能性」を表す香りがいくつも存在しますが、『TOMFORD(トム フォード)』ほど危険でセクシーなフレグランスはないかもしれません。

もちろんセクシーなだけではなく、品格があります。

セクシーにもいろいろな種類がありますが、『TOMFORD(トム フォード)』の一番の魅力は、“品のある色気”なのではないでしょうか。

官能的な香水は、とっておきのオシャレをして出かける日や、秋冬にまとうイメージがあります。

ですが、『TOM FORD(トム フォード)』のフレグランスは特別な日のためのスペシャルな香水、という訳ではなく、それをまとうことで“もともと持っている色気が完全に開花する”、という魔法のような香りなのです。

2021年末に発売された最新作は、世にも珍しいスモーキー・フレグランス

さてそんな『TOM FORD(トムフォード)』から、2021年12月に最新作「EBENE FUME(エべーヌ フュメ)」が発売となりました。

「EBENE FUME(エべーヌフュメ)」は、フランス語で「黒檀(こくたん)の煙」という意味になります。

黒檀とは聞き慣れない言葉ですが、これは「エボニー」の日本名。

主にインドやスリランカなどの南アジア、そしてアフリカにかけて分布しているカキノキ科カキノキ属の熱帯性常緑高木のことを指します。

古くから家具などの建材に使われてきましたが、弦楽器の材料としても有名です。

ピアノの黒鍵などにも利用されており、良い音が出る木材として世界各地で使われています。

ということで「EBENEFUME(エべーヌ フュメ)」は、「真っ黒な、漆黒の煙」とも訳せます。

そしてその名の通り、香りは世にも珍しいスモーキーノート。

スペイン語で「聖なる木」と呼ばれるパロサントをメインにした、ミステリアスでダークな色気を放つ珍しい香りなのです。

今回はこの香りについて詳しくご紹介したいと思います。

古来からの続く「煙」の意味と高揚感を出す香り

EBENE FUME(エべーヌフュメ)オードパルファム

トップノート:インセンス、パロサント、ブラックペッパー、ヴァイオレットリーフ

ミドルノート:レザー、パピルス、シスタスアブソリュート、杜松油、ローズ

ラストノート:レジン、エボニーツリー、ガイアックウッド

発表年:2021年

調香師:ロドリゴ・フローレス・ルー

対象性別:ユニセックス

トム・フォード氏は、「瞑想のような感覚を味わえる香りを探していた」と言います。

そして今回の「EBENEFUME(エべーヌ フュメ)」については、スピリチュアルといえるような気持ちを高揚させる艶っぽさ、そして本能に訴えかける悦楽があると表現しています。

香りの主役となったのはパロサント。

ヨーロッパでは気持ちを静める香木として、スティック状の天然木を暖炉前などで燃焼させるという方法が取られています。

主な生産地は南米で、気になるのその香りはフランキンセンスやミルラにも似た神聖なものです。

「EBENE FUME(エべーヌフュメ)」のトップノートはシンプルでもフレッシュでもありません。

開幕からいきなりこのパロサントが顔を出すのです。

かつてラテンアメリカの先住民たちが「神の樹」と呼び、邪気を払い浄化を促してくれるとされた聖木です。

この香りを一吹きしてイメージするのは、フランスやイタリアにある、中世から続く古い教会です。俗世の影響を全く受けない、不可侵な領域に足を踏み入れた感覚。

都会にあっても一気にそのざわめきがシャットアウトされるように、不思議と脳がトーンダウンされていくのです。

名に「煙」と付いていますから、もくもくとしたスモーキーさをイメージするかもしれません。しかし、この「EBENEFUME(エべーヌ フュメ)」はタバコの香りでも、暖炉の香りでもなく、ミドルノートで使われる杜松油が起爆剤となって、レザーウッディな妖艶さを開花させていきます。

やがて香りは落ち着き、柔らかで大人なウッドノートに。

ここまでくると心は穏やかになり、尖っていた角が取れていることでしょう。

マインドチェンジにも大変効果的で、在宅時間が長い今、気分が冴えない時などに使うとリラックス効果をもたらしてくれます。

ただアロマテラピーと違うのは、これが『TOMFORD(トム フォード)』の香水だということです。

神聖ながらも、抗えない色気・ミステリアスさを含んでいるのがこのブランドの持ち味とも言えるでしょう。

摩天楼に生きる現代の男性が、ネイティブアメリカンのスピリッツを背負って強く伸びやかに暮らすイメージです。

自己を律しつつ、他者へも十分に目を配ることができるような、まさに理想の「大人の男性像」。

磨かれていて洗練された香りなのに、気持ちを和らげ、平穏をもたらしてくれる。

それでいて全体の印象はしっかりダンディ、というような『TOMFORD(トム フォード)』らしさを残しつつも他には絶対見かけない、とてもスペシャルな1本です。

30代後半以降の男女へ。自分のためだけにある香り

「EBENE FUME(エべーヌフュメ)」はダンディとはいっても、無骨で男臭い香りではなく、包容力や威厳、幼い頃に憧れた理想の父親や上司を思わせる温かなダンディズムです。

ユニセックスタイプとはありますが男性寄りなので、女性でしたら「女らしく」いることに疑問を感じる方、強さを求めている方に良いでしょう。

またインセンスの香りも含まれていますので、お香の香りがお好きな方にもお勧めです。

『TOM FORD(トム フォード)』フレグランスに共通するのは、大都会の大人の男女に似合うということですが、「EBENEFUME(エべーヌ フュメ)」に限ってはいつでも、どこでもまとってOKな香りだと思います。

それは人に対して「どう思われるか」ということからかけ離れた香りであり、フォード氏自身が言うように瞑想めいた香りだからです。

家で自分のためだけにまとい、残り香が甘くなってきたころに出かけて人と会う、という使い方も素敵かもしれません。

また、古民家といった空間にも良く似合うでしょう。

年齢層は30代後半以降の男女に良く似合います。

パロサントの魅力を十二分に感じられる稀有な1本なので、人と被りたくない、自分だけの香りをお探しの方にもお勧めです。

まとめ

『TOM FORD(トム フォード)』の香水は「規格外」でありながら、完成度の高いものばかり。

今回の「EBENE FUME(エべーヌフュメ)」も、忙しい現代人にとっては「今、まさに欲しい香り」と言えるでしょう。

『TOM FORD(トムフォード)』の感性を通して、それまでの自分の中にはなかった“新しい感覚”をぜひ見つけてみてください。

素晴らしい香りの存在は、感性の引き出しを増やす一助になると思います。