165年の歴史を持つスーパーブランド『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』。
実はフレグランスが存在することを知らない方も多いのではないでしょうか。
もともとは旅行用トランクの専門店としてスタートした『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』ですが、今では知らない人がいないほどのスーパーブランドです。
職人魂が光る、手作業のトランクは1867年のパリ万国博覧会で銅メダルを獲得。その後ロシアやスペイン、アラブの王侯貴族たちに重用されました。
そんな誰もが知るブランドでも、意外なことに香水は長い間発売されていませんでした。
最後の香水が発表になったのは1946年。
70年もの時を経て、ついに新フレグランスライン「LesParfums Louis Vuitton(レ・パルファン ルイ・ヴィトン)」が登場したのが2016年のことです。
世界的に著名な調香師のジャック・キャバリエ氏を専属調香師として迎え、センセーショナルな再スタートを切ったのです。
“世界三大調香師”、“香水界のモーツァルト”と呼ばれるジャック・キャバリエ氏と『LOUISVUITTON(ルイ・ヴィトン)』の創るフレグランスは、一貫して「旅」を連想させるものです。

一つ一つの香りに物語が存在する「LesParfums Louis Vuitton(レ・パルファン ルイ・ヴィトン)」シリーズ。
今回はその中から、2019年に発売された雄大なウッディフローラルの香り「COEURBATTANT(クール バタン)」をご紹介します。
ジャック・キャバリエ氏が試みた、『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』フレグランスの世界観は「COEUR BATTANT(クール バタン)」で一度完結しました。
ブランドの「ファースト・フレグランスシリーズ集大成の香り」と位置付けられた「COEURBATTANT(クール バタン)」は一体どのような香りがするのでしょうか。
さりげない「贅沢さ」を味わえる、その香りの魅力に迫ってみたいと思います。
高鳴る心、エモーショナルなペアーとジャスミンの香り

COEUR BATTANT(クールバタン)オードパルファム
トップノート:洋梨、アンブレット、カスカロン
ミドルノート:エジプト産ジャスミン、イランイラン、水仙
ラストノート:モス、パチョリ
発表年:2019年
調香師:ジャック・キャバリエ
対象性別:女性
「COEUR BATTANT(クールバタン)」のテーマは、ジャック・キャバリエ氏から提案された「愛の物語」です。
こちらの意味はフランス語で「高鳴る心」。
「初めて出会ったとき、手を繋いだとき、恋に落ちたときの高鳴る胸の鼓動」を表現した香りなのだそうです。
まず、トップノートのペアー(洋梨)がみずみずしくて可愛らしく、地中海にバカンスに行った時のような心の解放感が味わえます。
それもそのはず、トップノートにはカスカロンという、オゾンや海を感じる香気成分も配合されているのです。
その香りは伸びやかで遠く、都会では味わえないような気持ちの良いテンションで始まります。
日頃は仕事をバリバリこなす女性がバカンス先で味わう、心の高鳴りと開放感。
そんなポジティブな空気とともに始まる「COEURBATTANT(クール バタン)」。
「一切の悩みを忘れて。」という、『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』からの素敵な贈り物です。

実は『LOUISVUITTON(ルイ・ヴィトン)』は、南仏のグラースにジャスミン畑を保有しています。
ですが、「COEURBATTANT(クール バタン)」ではよりアニマリックな香りにするため、ミドルノートでエジプト産のジャスミンを使用しました。
ジャック・キャバリエ氏の香りへの探求心の深さが伝わりますね。
エジプト産ジャスミンは、『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』のフレグランスに多く使用されているグラース産ジャスミンよりもかなり濃厚です。
そしてもっと滑らかで角が取れており、ジャック・キャヴァリエ氏らしい、優しい香りに仕上がっています。
ここで一気にムードが華やかに。
恋をしている女性の、優しくて色艶のある表情が思い浮かびます。
「高鳴る心」というネーミングに本当にぴったりな、麗しくて素敵で、胸が熱くなるような香りが広がります。
そしてラストはモスとパチョリのウッディノート。
香り全体に鮮度が加わり、より現実味を帯びていきます。
実は、パチュリを使用することで、その香水に入っているフローラルノートをより生花に近づける効果があります。
「COEUR BATTANT(クールバタン)」もパチュリが加わることで、ジャスミンや洋梨のジューシーなみずみずしさに、より一層躍動感が加わりました。
このフレグランスにただ甘いだけではない、ちょっとした緊張感があるのはそのためです。
恋はいつまでも新鮮というものではありません。
「COEUR BATTANT(クールバタン)」はやがて訪れる緊張感、動揺、倦怠感というものも表現した実に哲学的な香りなのです。
ですが、それも人間、それも人生。
ハッピーな香りだけでは物足りない、香りに生々しさを求める方にも良いでしょう。
ジューシーではあるものの、幼さのない大人の香り

「COEUR BATTANT(クールバタン)」は、1プッシュで洋梨のジューシーさが1日中続きます。
しかし、妖艶さを増す「エジプト産ジャスミン」と「パチュリ」が配合されているので決して子供っぽくはなりません。
そういうところが『LOUISVUITTON(ルイ ヴィトン)』らしいと言いますか、ジャック・キャバリエ氏の魔術めいた調香のなせる業です。
新シリーズ「LesParfums Louis Vuitton(レ・パルファン・ルイ・ヴィトン)」は、これまで物理的な旅をテーマにしてきましたが、「COEUR BATTANT(クールバタン)」に限ってはそのコンセプトが「感情」です。
「旅」の終着点は、何かの「始まり」とも言えます。
素敵な旅を終えて、また現実に戻る。いつもと変わらぬ現実なのに、今までとは違う自分を知る。
そんな、「旅の醍醐味」「心の成長」をも感じられる素敵な香りが「COEURBATTANT(クール バタン)」なのです。
ということで、この香りは20代後半以上の女性に非常に良くお似合いになると思います。
仕事にもプライベートにもアンテナを張り、自分の人生に意味を見出そうとしている時期にこの香りをまとうと、肌と素晴らしくマッチすることでしょう。
少し妖艶な部分があるので、仕事の時は避けて、プライベートタイムで存分に楽しむことをお勧めします。
肩の力を抜いて、リラックスしている時に。季節は春先、初夏といった、やはり「心が高鳴る」時期が良いでしょう。
まとめ
たくさんの一流ブランドが香水を発売していますが、その多くは歴史深いもの。
『LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)』の香水が2016年に再発売となったのは意外なことですが、その分“古めかしい”香りとは無縁で、現代にマッチした香りのラインナップが豊富です。
きっと、「LesParfums Louis Vuitton(レ・パルファン・ルイ・ヴィトン)」は今後のラグジュアリーパルファムを引っ張る存在になるかもしれません。
「高鳴る心」を哲学的に表現した「COEURBATTANT(クール バタン)」、一筋縄にはいかない、ユニークなフルーティノートをお探しの方に本当にお勧めです。

