『CHANEL(シャネル)』のメンズ香水史上、一番の売り上げを記録した「BLEU(ブルー)」。

世界で最も多くの男性に愛用されている香りです。

『CHANEL(シャネル)』というブランドを身近にしてくれた香り、そして同時に、その名香ゆえに『CHANEL(シャネル)』を神聖不可侵な領域に遠ざけた香りでもあります。

そして「BLEU(ブルー)」について特筆すべきことは、その「リピーターの多さ」です。

もっと言うと、「BLEU(ブルー)」を一度でも手に取った方は、他の香水には目もくれずずっとその香りを愛し続けるのです。

『CHANEL(シャネル)』というブランドネームだけでこのような快挙を成し遂げることはできないでしょう。

不思議なことに、この香りは北米・アジア・中東・ヨーロッパと、ほぼ全大陸で好かれています。そしてほとんどの女性が「男性がつけていて好ましい」と感じる香り。

もはや、全人類の嗅覚を目覚めさせたと言っても過言ではない「BLEU(ブルー)」、一体どんな香りの構成なのでしょうか?

そして、なぜ私たちはこんなにも「BLEU(ブルー)」に魅せられてしまうのでしょうか。

『CHANEL(シャネル)』の描く男性像をそのまま表現した香り「BLEU(ブルー)」について、詳しく解説していきたいと思います。

シトラス&ウッディ―、光と影の共演

BLEU DE CHANEL (ブルー・ド・シャネル)オードトワレ

トップノート:レモン、ミント、ピンクペッパー、グレープフルーツ

ミドルノート:ジンジャー、イソEスーパー、ナツメグ、ジャスミン

ラストノート:ラブダナム、サンダルウッド、パチョリ、ベチバー、インセンス、シダー、ホワイトムスク

調香師:ジャック・ポルジュ

発表年:2010年

対象性別:男性

「BLEU(ブルー)」が発表されたのは2010年。当時の『CHANEL(シャネル)』専属調香師、ジャック・ポルジュによって調香されました。

ジャック・ポルジュはココ・シャネル亡き後、「ココ・マドモワゼル」や「アリュール」、「チャンス」といった名香を世に出し、『CHANEL(シャネル)』帝国に貢献した天才調香師です。

現在はパルファム、オードパルファム、オードトワレと全てのタイプが揃っていますが、今回は一番最初に調香されたオードトワレについてご紹介していきたいと思います。

さてほとんどの香水は、そのファーストインプレッションであるトップノートに比重が置かれています。

「BLEU(ブルー)」も例外なくトップノートのインパクトが強めなのですが、一番の特徴は、その“光”のような調香です。

硬質で、冷たいシトラス。

少し苦みもあり、人肌で温めないと遠くへ消えてしまいそうな、追いかけたくなるトップノート。

フラッシュのように一瞬の出来事なのですが、それは明るくさんさんと降り注ぐ太陽光ではなく、絵画で表現するような、幾重にも重なった“光”です。

しかし、ミドルノート以降で「BLEU(ブルー)」の力強さはどんどん増していきます。

ジャスミンのセクシーさに加えて、ナツメグとジンジャーのスパイス感。

日本ではあまり馴染みのない、ヨーロッパ風の香りが心地良く鼻腔を駆け抜けていきます。

先ほどの“光”は既に消え、交代で顔を出したのがなんと“影”の部分。

“影”といっても、ダークな人間性を表すものではありません。こちらもやはり絵画で言うところの“陰影”のパーツです。

この押し引きじみた香りの移ろい方が素晴らしく芸術的です。

“光と影”を巧みに操ったその香りは、さながらレンブラントの絵画のよう。男性の一筋縄ではいかない心情が見て取れるようです。

このトップノートからミドルノートの魔法のような様変わりには、気づかないうちに魅せられている人も多いのではないでしょうか。

実は「BLEU(ブルー)」のこの部分こそが、私たちを惹きつけてやまない理由でもあります。

続くラストノートでは一気にダンディに。

ため息が出るほど素晴らしい、ウッディ&ハーブの構成がここに見られます。

『CHANEL(シャネル)』が栽培したサンダルウッド(白檀)の香りには気品があふれていて、1日の疲れが解きほぐれていくような癒しと安らぎが。

メンズ香水の定番でもあるベチバー、パチュリ、シダーにケミカルさは微塵もなく、その品格あるラストノートはさすが『CHANEL(シャネル)』といったところでしょうか。

シトラスの硬質な煌めきが、熱っぽく繊細なスパイス&フローラルへと高まり、不透明さを保ったまま、タフで頑丈なウッディ感に飲み込まれていきます。

男性の心情を1本の映画にしたような「BLEU(ブルー)」。

トップノートからラストノートにかけてのドラマティックな構成は、100年たっても語り継ぎたい至高の香りです。

「BLEU(ブルー)」をまとうことでこんなイメージに

「BLEU(ブルー)」は知性とエレガンスを兼ね備えていて、意識しなくてもその一挙手一投足が気品に満ちあふれています。

常にリラックスしており、やりすぎず、本人は女性に興味がなくても、女性にモテまくってしまう、そんな男性像を彷彿とさせます。

そしてミドルノートからラストノートにかけての“影”の表情がより人間味を出しています。

「BLEU(ブルー)」は世界中のどんな都市の雰囲気にも似合います。

ニューヨーク、東京、パリ、ロンドンのような大都会の喧騒を落ち着かせてくれる香り。

しかしながら、例え田園地方にいてもこの香りが香ってくれば、たちまち辺りは別天地のような性質風情に変わるでしょう。

体臭の強弱関わらず、「BLEU(ブルー)」をまとえばその人の体臭と化学反応を起こしとんでもないハンサム香となり得ます。

ただ、年齢は比較的高めの方が限定的にお似合いになるかと思います。もちろんかっちりとした服装です。

唯一「BLEU(ブルー)」で配慮しなければいけないのは、“経験”と“人間性”がそれなりに構築されている年齢でないと、その香りの貫禄に負けてしまうということです。

“くぐり抜けた”男性から香る「BLEU(ブルー)」ほど濃艶なものはありません。

まとめ

名実ともに最高傑作である『CHANEL(シャネル)』の「BLEU(ブルー)」。

清潔な身なりからほんのり漂ってくる「BLEU(ブルー)」は「そこはかとない上品さ」を常に醸し出してくれます。

胸に秘めた情熱、更には内面の葛藤までをも美しく“陰影”で彩る、一人の男性を芸術へ昇華させたような香り。

まとう人のドラマをも想って調香されたような、哲学的な香水でもあります。

『CHANEL(シャネル)』の歴史に刻む、永遠の名香をぜひお試しください。