世界一の名香、シャネルの5番は2021年で誕生100周年を迎えました。
この年は5番を回帰する限定アイテムが発売されたり、生誕の地パリでシャネル特別展が開かれるなど、コロナ禍にも負けずたくさんのイベントが行われていました。
100年経ってもなお人々の話題に上がる、シャネルの5番。
そのパワーは計り知れません。
今日ではオリジナルの香りから派生していくつかのフレグランスが発表されていますが、中でも「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」の勢いは凄まじく、「現代の5番」と称されているほどです。
イメージモデルを務めるのは、世界的俳優のジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの一人娘であるリリー・ローズ・デップ。
かつては、母ヴァネッサもシャネル香水のミューズを務めていました。
なぜ「No.5 L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」が「新世代のフェミニティを体現する香り」と言われているのか、その謎を紐解いてみましょう。
リリー・ローズ・デップに見るミレニアル世代

リリー・ローズ・デップは、1999年パリ生まれ。ハリウッドの大スター、ジョニー・デップとフランス女優、ヴァネッサ・パラディの長女です。
父母の美貌を受け継ぎ、2世セレブたちのなかでも頭一つ抜ける活躍を見せています。
そんなリリー・ローズ・デップがデビューを飾ったのは、大々的に報道されたシャネルのブランドアンバサダーでした。
シャネルのデザイナーだった故カール・ラガーフェルドも、彼女のカリスマ性を絶賛するほど。
その後、カンヌ国際映画祭のオープニングに登場したり、シャネルのランウェイデビューなど、リリー・ローズ・デップのモード快進撃は留まることを知りません。
そんな彼女もミレニアル世代。
彼らは、物心がついたころには既にITが急速に普及していました。
そのため、従来の世代と比べてITリテラシーが非常に高いという特徴があります。
また、従来の世代は「安定」が最も重視されていました。
対してミレニアル世代は、「自由」や「成長」を常に追い求めています。
それには男女の性差は関係ありません。
他を認め協調しながら伸びていく、というのが彼らの基準だと言えます。
フェミニティにおいても、古い価値観を嫌います。
あらゆる垣根を乗り越え、壁を取り除いていく、彼らにとってはそれが一番のプライオリティだと言えるでしょう。
ということで、「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」のミューズとして、ミレニアル世代の代表とも言えるリリー・ローズ・デップが選ばれました。
彼女がプライベートでも愛用しているというシャネルの「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」は、元祖5番に比べて非常にまといやすいのが特徴です。
5番の要素をしっかり残しつつ、新たなエッセンスが加わった「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」は一体どんな香りがするのでしょうか。
複雑さを抑えたシトラス&フローラルノート

No.5 L’EAU(ヌメロ サンクロー)オードトワレ
トップノート:レモン、マンダリン、オレンジ、、ベルガモット、ライム、アルデヒド
ミドルノート:ローズドゥメ(5月のバラ)、ジャスミン、イランイラン
ラストノート:ホワイトムスク、ベチバー、シダー、イリス
発表年:2016年
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
対象性別:女性
伝説の香りシャネルの5番を現代版に解釈して生まれたのが、「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」。
L’EAU(ロー)はフランス語で“水”の意味です。
シャネル4代目専属調香師、オリヴィエ・ポルジュの作品で、2016年に発表されました。
3年をかけてじっくり調香されたそのオードトワレは、とてもフレッシュなシトラス&フローラルの香りであります。
「No.5 L’EAU(ヌメロサンク ロー)」の魅力は、その爽快なトップノートにあります。
これがあの5番?と意表をつかれるほどの、サプライズに満ちた始まりです。
すっきりとしたシトラスの美しい旋律。それはまるで、凝り固まった頭をきれいさっぱり洗い流してくれるかのように、私たちの気分をクリアなものにさせてくれます。
そんなシトラスノートに驚くのも束の間、ミドルノートではシャネル5番でおなじみの3大フローラルの香りが登場します。
ローズドゥメ(5月のバラ)、ジャスミン、イランイランと、どれも主役級の花々。
一見主張の強そうなフローラルですが、不思議と“透明感”のある仕上がりになっています。
というのも、調香師オリヴィエ・ポルジュはバラの産地である南仏グラースにてサスティナブルな活動にも力を入れています。

将来先細りしてしまうであろう稀少ローズのことも視野に入れて考えられた、新時代のフローラルブーケなのです。
そのため従来の5番よりローズやジャスミンの「モワっと」広がる香りはここではかなり抑えられています。
L’EAU(ロー)、と名についていますから、水のようなイメージなのか?と思われますが香り自体に水の印象はありません。
水を謳うフレグランスの多くにはマリンノート、瓜系(メロン)といった香りが加えられています。
しかし、「No.5 L’EAU(ヌメロサンク ロー)」はあくまでもシトラス&フローラルの香りに集中しています。
水のように「流れに身を任せ、他と混じりながら形を変えることが可能」なことをこの香水で表現しているのだと思います。
水は温度によって固体にもなりますし、砂と混じればまた別ものにもなります。
しなやかに、それでいて流れをせき止めないでいることが「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」に見る、現代のフェミニティなのでしょう。
そしてラストノートでは甘ったるさを排除した、ほんのりとしたベビーパウダーの香りが漂います。
現代版シャネルの5番とだけあって、しっかりとシャネルらしさを出しつつも、敷居をぐっと下げた「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」は、多くの人が“普段使いできる香り”と感じているようです。
実は若い世代だけではない、「日常使いのできる」シャネル5番

「No.5 L’EAU(ヌメロサンク ロー)」の良いところは、若い世代のためだけではない、ということです。
先述したようにリリー・ローズ・デップがミューズを務めていますから、20代向けなのだろう、と思われがちなのですが、実は「日常使いのできる」新たなシャネル5番なのです。
1921年から発売されているシャネルの5番は、かなりクラシックでTPOを選びます。
しかし、今回の「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」は季節も、服装も、オケージョンも関係なくまとうことが可能です。
また、オードトワレというのも使いやすいポイントです。
5番のエレガント性を残しつつ、「フットワーク軽く世界を飛び回る」ような新たなキャラクターが付け加えられたのです。
日常使いできる5番というのは、香水ファンの方なら待ち望んでいた香りなのではないでしょうか。
お馴染みのフラコンボトルも相変わらず美しく、お部屋に飾るのも嬉しくなりますね。
「No.5 L’EAU(ヌメロサンク ロー)」のカラーが透明であるように、何ものにも縛られない「柔軟さ」が垣間見える1本です。
まとめ
現在、シャネルの新たなアイコンフレグランスとなりつつある「No.5L’EAU(ヌメロ サンク ロー)」をご紹介しました。
他のラインナップと比べて強く香らないところもポイントです。
これからシャネルに挑戦したい方も、既にファンの方も、きっとお気に入りの一本となることでしょう!


