『VICTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)』は、オランダのアムステルダムに拠点を置くファッションブランドです。
オランダのアーネム・アカデミー・オブ・ファイン・アーツの卒業生である二人、ヴィクター・ホスティンとロルフ・スノランのデザイナーデュオによって創設されました。
始まりは1993年、南仏イエールのヨーロッパ新人デザイナーコンテストにてプレス賞、レディス部門最優秀賞、イエール市賞を受賞し、3冠を達成したことからです。
以来、美しい仕立てにカジュアルウェアを融合させた、遊び心のあるフォーマルウェアを製作しています。
賑やかなプリント、風刺やユーモアにインスパイアされたデザインがとても魅力的で、今っぽいキャッチーなスタイルで人気を博しています。
そんな『VICTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)』が2005年にロレアル社の協力により発売した初めてのフレグランスが、今回ご紹介する「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」です。
「花の爆弾」と名付けられたインパクト強めなヴィジュアルから香るそのオリエンタル・フローラルノートは、名前通り衝撃的な印象を私たちに与えてくれます。
これぞ香水!というような、香りの時限爆弾をご紹介したいと思います!
1000本の花をボトルに投下した「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」

出典:『VICTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)』フレグランス・公式インスタグラムより
FLOWER BOMB(フラワー・ボム)オードパルファム
トップノート:ベルガモット、ティー、オスマンサス(キンモクセイ)
ミドルノート:ジャスミン、アフリカンオレンジフラワー、フリージア、ケンティフォリアローズ、オーキッド
ラストノート:ムスク、パチョリ
調香師:オリヴィエ・ポルジュ、カルロス・ベナイム、ドミティーユ・ベルティエ
発表年:2005年
対象性別:女性
まず、この「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」に携わっている調香師の一人は、現シャネルの専属調香師であるオリヴィエ・ポルジュです。
シャネルの大人気フレグランス「ガブリエル・シャネル」を生み出したのもこのお方。
彼の作品は共通して「直感的」で、心にグッとくるような美人な香りばかりなんです。
そんなオリヴィエ・ポルジュが関わった「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」もまた、ゴージャスな美人像を彷彿とさせるあでやかな1本。
ライトで万人受けを狙ったフレグランスとは一線を画す、ザ・香水とも呼べるこの香りは若干重めなオリエンタル・フローラルノート。
グラマラスなヨーロッパの女性から香ってきそうな「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」の構成を詳しく見ていきましょう。

トップノートのベルガモットといったシトラス系の香りはほどほどに、スタートからオスマンサス(キンモクセイ)の蜜のような、エキゾチックな甘さが広がります。
ほどよく水分を含みつつ、まったりとしたトーンが不思議。フレッシュ感はあまりなく、黄色い果実的な香料が全体の彩度を上げています。
ヨーロッパの古城の寝室に足を踏み入れたかのような、異次元にトリップしてしまいそうなトップノートです。
日本のライトな香りに慣れた方にとっては、少しパンチが強いかもしれません。
しかしこの香水には、ヨーロッパ女性の官能性とは何か?と言うイメージを具体的に現わしていて、「女の武器」をマックスに装備したような、確信犯的な色気があります。
続くミドルノートではスター級の花々が共演を果たしています。
ジャスミン、オーキッド(蘭)、ローズ、フリージア。単体でも主役になれそうな香料なのに、それぞれが良い意味でぶつかり合いながら豪華な一つの花束となりました。

出典:『VICTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)』フレグランス・公式インスタグラムより
ここで1000本の花を投下した「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」(花の爆弾)の完成です。
その芳醇さは嗅覚がとまどってしまうほどゴージャスで、かなりの熱気を帯びています。
ラストで香るムスクはあまりにも色っぽくミステリアス。
パチュリは本来メンズ香水によく使用されるアーシーで知的な香りなのですが、それがここでは引き立て役となり、毒矢のような罪深い魅力を増強しています。
日が暮れたあとに合う香り
「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」は上記のように、可愛らしく爽やかな香りとは真逆の、ある種媚薬のような香りですので、太陽が当たる昼間には合わないような気がします。
名前の通り「花の爆弾」として、意中の人と甘いひと時を過ごす日にまといたいフレグランス。
思わず引き込まれてしまうような、胸の奥がざわつくような、そして毒矢のような罪深い魅力を醸し出しています。
「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」の中心ににあるフローラル感も最高ですが、単なる綺麗な花の香りとはまた違う、その奥に息をひそめるスパイシー感がこの個性をより強固なものにしています。
この「内側に情熱や衝動を秘めた気配」が本当に官能的で素敵。
女性にしか分からないようなお花の、蜜のようなエロティックさが感じられるでしょう。
香りのインパクトが強いので、洋服と合わせるというよりはランジェリーに良く合いそうです。

出典:『VICTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)』フレグランス・公式インスタグラムより
年齢は問いませんが、シーンは選びます。
オフィスには向かない香りで、プライベートタイムでこそ本領を発揮するフレグランスだと思います。
特に日が暮れた夕方以降に、この「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」のむせるような官能性を身に着ければ鬼に金棒です。
とろけるような色っぽさがありつつも、カチッとした気品が融合しているところが「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」の持ち味でもあります。
なかなかに着けるシーンを迷ってしまいそうな香りですが、TPOがバッチリとハマった時には絶対癖になってしまうはず。
とことん香りに陶酔できる逸品です。
まとめ
手榴弾の形をした印象的なフレグランス、「FLOWER BOMB(フラワー・ボム)」。
そのコンセプトと香りは昨今の流行りであるユニセックス香水とは真逆の、「女性性」にフォーカスしたような香りです。
この香りのもつ激しさ、密度や熱っぽさは、乾き切ってしまった心を潤し、再燃させてくれる何かを呼び起こしてくれると思います。
パッションが欲しい方、刺激的な女性になりたい時、恋愛を謳歌したい時の栄養剤としても最適です。
ほんの少しを足元に数滴、たらしてみて下さい。
自分の真下から幾千もの花々が香り、ゴージャスな特別感を感じることができるでしょう。


